大阪の夜の街角で、初老の男がJKビジネスの少女たちに話しかける。 行き場のない子どもたちの受け皿になろうと声かけのボランティアを続ける彼は、少女たちから“地回り先生”と呼ばれる精神科医だ。その“地回り先生”に近づき、「あなたの活動を取材させてほしい」と言う若いカメラマン。 彼は、実は精神科医の息子である。幼いころに別れた父に、素性を隠して接近してきたのだ。 父子の関係は崩れていた。三十年前に家族がバラバラになった後、残された精神科医の妻は誰にもみとられず亡くなった。大阪での三十年ぶりの父子の再会は、父にとっては亡き妻、息子にとっては亡き母へのしょく罪の旅の始まりでもあった。行き場のない孤独を抱えるひとりの少女と向き合いながら、父子は自分たちの人生を生き直そうとする…。 父子の人生の再建は果たされるのか? 少女は未来に向けて歩き出すき出すことが出来るのか? ...